つい先日、アイホーン用アプリの KingGPS というのを購入しました。これは平たく言えば GPS ロガーです。
ほかにもアイホーン用の GPS ロガーはあるのかもしれませんが、私はこれが最初で、ほかは知りません。ただほかを知らなくても十分、役を果たしてくれそうです。特に、いままでの GPS ライフ環境での辛かったところを、まったく払拭してくれるほどの変化が齎されたがために、もう後には戻れないかもしれません。
──とても久しぶりの更新記事ですが、そのへんをちょっと書いてみたいと思います。
いままでは Garmin の eTrex という、ふるいハンディ GPS レシーバを使っていました。これはこれでいいんですけれども、取ったデータをいざ Mac に取り出して、それを GPX Casual Viewer で閲覧しようと考えた時に、とても煩わしかったんです。
- 本体と Mac をケーブルでつなぐ。 USB とシリアルの間には U232-P9 という変換器。
- 変換器のドライバ、 Mac (Intel) 用のがないので、 PC エミュレータである Parallels で Windows XP を起動する。
- カシミール3D を起動して、 Garmin からデータのダウンロード。 GPX 形式で書き出し。
- Mac 上にコピー。
- GPX Casual Viewer で見る
これらひとつひとつに、それぞれ違ったストレスがあり、思い出すだけで嫌気がさすのですが、それはとにかく、面倒なのは想像に容易いと思います。もちろん物好きにこんな手間をかけている訳ではありません。
そもそもはインタフェースがシリアルしかない GPS レシーバを使っているのが根源なんですが、レシーバはそれなりの値段がしますし(いまでこそ熟れてきましたが)、面倒さえ我慢できれば買い替えるのも勿体ない事ですから、渋々ながらも、そんな状況で使い続けていました。
でも気がついたのです。──最近ログとっていないな、なぜだろう、そうか面倒くさいからだ、と。我慢して使っていたつもりが、堪えきれなくなって使わなくなってしまったんですね。

アイホーンと KingGPS の組み合わせは、その全てを一新し、あたらしい GPS ライフを提供してくれる革命的解決でした。上で列挙したストレスは、次のようにシンプルに。
- アイホーンの KingGPS から、メールで送る
- Mac のメールソフトで受信し、添付ファイルを取り出す
- GPX Casual Viewer で見る
ケーブル? つなぎません。 PC 起動? そのかわりにメールソフトを起動します。 GPS データのダウンロードはメールの添付データになっていて、それを GPX Casual Viewer でインポートする。ああ、なんて簡単なんでしょう。(この段取りが、もう、最初の段取りよりも細かいレベルで書かれている点に注意して下さい。)
しかし、話はこれで終わりません。むしろここまでは前フリです。
一見解決したかに思える Mac への、そして最終的には GPX Casual Viewer への、 GPS データ転送ですが、まだ、受信のためにメールソフトを起動してから、 GPX Casual Viewer へインポートすることが余計な手間です。まいどまいど同じ手順を踏むのは脳の衛生的にいただけません。それに私は、その手間をなくすことが出来る事を、それをする前から知っていました。すなわち、次のようにできれば、これ以上ないのではないでしょうか。
- アイホーンの KingGPS から、メールで送る
- Mac のメールソフトで受信し、GPX Casual Viewer で見る
この二番目のふたつの動作が、一緒になっているところが要点です。そのメールには、 URL が貼られています。それをクリックすれば、 GPX がオーバレイされた GPX Casual Viewer のページが開きます。これ以上、簡単にすることができるでしょうか?
このアイデアは、簡単なメール受信プログラムを書くだけで実現できます。(やや、嘘はいけませんね。 Web サーバ、メールサーバを立ち上げなければいけません。しかしここではその事実は隠しておきます。)
GMapWidget は、そのページの URL のパラメータ(クエリーストリング)で GPX ファイルの URL を受け付け、それをそのままオーバレイさせることができます。この仕組みを使います。
メール受信プログラムは、 GPX Casual Viewer のパラメータとして渡す URL の位置に GPX ファイルを保存するようにします。そしてその GPX ファイルの URL をつけた GPX Casual Viewer の URL を、任意のメールアドレスへ自動的に返信します。──もう、出来ました。

この記事のいちばん下の方に、そのプログラムを起動するためのメールアドレスを用意しました。試してみて下さい。ただし、そのまえに幾つかの注意事項があります。
- 仕掛けとしては、 KingGPS を使わなくても、もちろんいいのですが、その他ツールから送る時は、 GPX ファイル名には拡張子 .gpx を付けて、添付して下さい。 ZIP 圧縮してもOKです。ただし、圧縮するしないにかかわらず 1MB までにしてください。
- 送信するデータに問題があったり、プログラムに問題があった場合は、返信メールは出されません。駄目なときは、駄目なので、10分くらい経っても返信メールが届かない時は駄目だったと思って諦めて下さい。
- GPX データは1週間ほどで削除されます。ただし予定です。もうすこし長く保存されるかもしれません。削除されたあとは、返信された URL を開いても、 GPX が存在しなくなっているので、空しい事になるだけになります。
- GPX データはその性質上、公開状態にされます。メールアドレスは、返信用に用いるだけで、公開されたりすることはありません。また恒久的に保管する事はしていません。ただしプログラムの動作ログ、メールサーバの送受信ログに、一定期間(1週間から3ヶ月程度)残ります。
- いちおうの注意は払って制作していますが、即席のサービスであり、何か問題が発生する事もあるかもしれません。とくに、メールアドレスや GPX というプライベートな情報をやり取りします。それらが万が一にも悪意ある他者によって暴かれた場合でも、私は責任をとることができませんので、そのへんのいっさいの責任を追求しないお約束で、それでもいいよという場合のみ、ご利用を許諾することとします。
- この機能が突然、何の予告なく使えなくなっていても、驚かないで下さい。
簡単なプログラムですので、サーバをお持ちの方は各々で制作していただいてみるのがいいと思います。それでも、上記の注意事項に同意頂けるのであれば、次のメールアドレスへ、KingGPS で GPX 形式のデータを添付したメールを、送信してみてください。うまくすれば、 GPX Casual Viewer の URL を、返信してきます。
さて以上のような具合に、アイホーンと KingGPS の組み合わせは、猿人類がモノリスに触れた時のような進化を、私自身に齎したのでした。
とはいえ、アイホーンの電池のもちが、新しいストレスの種になりつつありますね。クルマで移動している時なら、電源が確保できるのでいいのですけれど、アウトドアな活動の場面では、まだしばらくは、 Garmin eTrex の出番がありそうです。
追伸:
なお GMapWidget の今後については、また別に記事を纏めてポストする考えですが、要点だけ先に申しますと、もう開発は1年以上、していません。バグもそのままです。ただ、 Google Maps API v3 でまったく新規に作り直す意向はもっています(が、まだ着手していません)。

コメントする