Hugin を使って、幾つかの写真画像をスティッチング(繋ぎ合わせる)最低限の手順。とある事情から、なんだか書かなければいけないような気になったので、ここに記す事にする。
これから初めて Hugin に触れるひとは、最初の最初は「アシスタント」メニューを使ってもいいかもしれないけれど、じぶんが幾つかのサンプルで試してみたところでは、完成した画像はあまりいい出来ではなかったし、また手動で「コントロールポイント」の修正が必要になったりする場面も往々にしてありそうだし、つまるところ、いずれはアシスタントでは物足りなくなるのは知れているので、やはり、初めから通常の手順を踏んで行くのがよいと思う。
でも作業画面は多岐にわたるセッティング、入力欄、ボタンが所狭し?と並んでいるので、手順をどこから始めて良いのか、迷うかもしれない。そうした際の、 Quick Start としてガイドとなるだろうか。
作業工程をざっくり述べると、画面上部にある、タブ(ペイン)の切り替えボタンを左から順番に進んで行けばよく、それに細かい設定などは省略して進めても、それなりの結果が得られるので、いくつかの項目は無視できる。そうすると、以下のような手順になるだろう。
とはいうものの、もっぱらじぶんは、この手順から出る事もあまりなかったりする。
以下、画像はクリックすると大きなサイズ 800x500 になる。
最初は「画像」ペインにて、画像を登録する。まとめてドラッグ&ドロップできる。ポイっと。
その画面の下に、「コントロールポイントの自動検出(Autopano)」というところがあり、「検出」ボタンがある。押す。
このボタンを押すにはあらかじめ Autopano-SIFT の設定をしておかなければならない。(前の記事を参照)
進捗画面が出て、登録した写真画像の大きさや、数によって、長らく待つ事もある。マシンスペックがものをいうところだ。
じぶんのマシンは Mac Book Pro 去年暮れのモデル。 1600x1200 の風景画像5枚程度であれば1分は待たない。
「コントロールポイントをN個追加しました」みたいなメッセージが出て、ここは完了。
そして、次の行程は、先ほどの説明通りであれば、右のペイン「カメラとレンズ」になる。最近のデジカメならば、ここは飛ばしても構わない。また、そうでない場合も、じぶんには説明ができないので、やはりスキップすることにする。
そうすると次は「切り抜き」とあるけれど、これもスキップ。使った事はないし、必要ないと思う。
すると「コントロールポイント」に行程は移る。しかしこれもスキップ。なぜなら、「コントロールポイントの自動検出」をして「──N個追加」されたばかりだから。ただ、ここへはあとで、必要が生じて戻って来ることになる。でもいまはとりあえずは、次へ。
「最適化」ペイン。最適化は、コントロールポイントに従って、繋ぎ合わせる画像を伸ばしたり縮めたり、ゆがめたりするためのパラメータを計算すること、のようだ。これも詳しく知らなくても、大丈夫。そこにある「最適化を実行」して、適用しよう。
ところで最適化の種類に「位置(基準から一枚ずつ)」と、そのほかにもあるようだけれど、これもとりあえずは、そのままでいい。じぶんもどんな場面で変える必要が生じるかは、体感的にしか判らない(=説明できない)。あるときは「全部」でやってみたりすることがある。
最適化の結果を適用すると、だいたいの様子がプレビューできる。プレビューを呼び出すアイコンがどれだか、わからなければ、マウスポインタをその上に持って行けば説明が出るので探そう。もちろんメニューバーにもある。
今回のサンプルでは、このように、右端の写真画像がヘンテコな向きになってしまっている。これは「コントロールポイント」が不適切であった結果だ。
コントロールポイントは、自動で走査させていた。修正するには、手動で行わなければならない。「コントロールポイント」のペインに戻ろう。
「コントロールポイント」ペインは左右に大きく分かれていて、隣り合う写真画像を見比べながら作業する。上部にあるプルダウンメニューが、写真画像を選択する。ファイル名の前についている数字が並び順だから、0と1、1と2、2と3... といったふうに、選択して、二つを並べる。すると、追加されているコントロールポイントの様子がわかる。
画像の上にも印があれば、そのリストが下の段に並んでいる。どちらに注目してもよいけれど、判りやすいのは下のリスト。この中から、「距離」が大きいものを探し出す。ズレが大きいものと思って差し支えないので、大きな数値のものを、削除してしまおう。
下のリストをひとつひとつ、選択して削除していってもいいし、メニューから「コントロールポイント一覧」を選べば、一括して削除ができる。
なおコントロールポイントは、最低でも4カ所は必要との事。もちろん、手動で追加もできる。この画面で。画像上をクリックして、動かしたりしてみれば、自ずとやり方は判ると思うのでここでは触れない。
ところで今回のバージョン 0.7.0 、選択したポイントが部分的にズームアップされるようになって、画像上でコントロールポイントを一致させる作業が、やりやすくなった。
メニューから呼び出したサブ・ウィンドウに並んでいるコントロールポイント。「数値で選択」で、入力した数値以上の値を持つポイントがまとめて選択できるようになっている。
この例では 100 と入力してみた。最終的には、この値でもよかったようだ。ただ、じぶんがふだん作業している中では、 100 はかなり大きな値という印象がある。 10 を超えないようにしたいところ。どこかの説明書きでは、 5 ぐらいを目安にというのも、読んだ気がする。
ともかくそのように、距離の大きなポイントを、捨てすぎない程度に選択したら、削除してしまおう。
削除したら、再度「最適化」ペインに行って、「最適化を実行」する。再計算、というわけだ。
最適化を適用したら、新たにプレビューで様子を見てみる。今度は、いいようだ。
よくなければ、コントロールポイントのほうを、再度チェック・修正して、再々度最適化。というふうに、よくなるまで繰り返さないと、いい結果は得られない。やはり、コントロールポイントの善し悪しが、良い出来上がりのための、いちばんの要になるんだろうと思われる。
そのプレビュー画面では、視野角に応じた画像の配置がなされている。視野を広く取ると、それだけの視野をカバーできていない部分が黒く塗りつぶされて、無駄な画像の部分となる。
繋ぎ合わせられた写真画像いっぱいの視野ちょうどに収まるように、「フィットさせる」ことも、そのボタンを押すだけでできる。また隣にある「中央に」「まっすぐに」も、文字どおりの効果がすぐに得られる。
各写真画像の水平は正しいのに、繋ぎ合わせたプレビューでそれがおかしくなっていたら、「まっすぐに」を押してみよう。うまくいけば、期待どおりに結果を出してくれる。
これも今回のバージョンで追加された嬉しい機能だ。ただ、コントロールポイントにある程度の精度がなければならないと、思われる。
さて、行程の「最適化」の次は「露出」とあるけれど、これも今回のバージョンからお目見えしたものだ。しかしじぶんはまだ試していない。とは言っても、完成したパノラマ画像を、フォトレタッチ・ソフトなどで補正できる、するのであれば、この「露出」にある項目はいじらなくても構わないだろう。ただ HDR 、 それがなんだか知っていれば、ここは今回のバージョンの、見所のひとつになるのかもしれない。(続く記述に修正: @ 2008-12-13 )
各画像の露出を、自動的に修正してくれる。詳しい方のコメントを頂いたところ、「EV値はともかくビネッティングが修正されるのでぜひ試していただきたいです」とのこと。
つなぎ合わせる各画像はそれぞれで異なる露出になっているかもしれないし(むしろそうなっているケースのほうが自然なこと)、「ビネッティング」のために隅のほうが暗くなってしまっている。もし、それをそのままにしてつなぎ合わせると、 figure 9 のプレビューのように、つなぎ合わせたぶんだけ暗いところと明るいところとが、連続して縞模様のように現れ、全体がぼやぼやしてしまう。
hugin はこれも、自動で修正してくれるのだ。
尤も、最後の行程、スティッチングの場面で、「 enblend 」の効果によって、このしましまぼやぼやを自動で補正できる。 hugin の以前のバージョンから使っていたじぶんはむしろ従来どおり「 enblend 」に委ねていたのだけれども、 hugin 0.7 からは、この「露出」タブのところで、あらかじめ自動で修正できるようになった。「 enblend 」に任せるか、この露出で補正しておくか、どちらで行ってもいいのかもしれないけれど、「 enblend 」を使わないなら、ここで補正しておかないといけない。いずれにしても、自動で行ってくれるので、簡単だけれども、「 enblend 」の場合は、最終的に結果画像を書き出すときに実行されるので、タイミング的に、結果のまえのプレビューをすることができない。──ということでやはり、ここは新機能の目玉でもあることだし(?)、あらかじめ「露出」タブで、補正をしておこう。
実行すると数値を入力するダイアログが出るけれど、値はとりあえずデフォルトでいいようだ。実行したら、再度プレビューを見てみよう。
いよいよ最後に「スティッチング」。この行程で実際に画像が繋ぎ合わせられ、選択したフォーマット、特に選択していなければ無圧縮 TIFF 形式の画像を書き出す。
そのまえに、画像サイズと、視野角、それぞれ自動でセットしてくれるボタンが付いているので、押しておこう。
そして「スティッチングの実行」。あとは、待つだけだ。この行程もマシンパワーによっては時間がかかる。
大量の画像を繋ぎ合わせようとしていたりしていて、仕上げの前にざっと様子を見てみたいならば JPEG で書き出すようにすれば、仕上がりは荒っぽいながらも素早く出来上がる。プレビュー画面は小さいので、もうすこし大きなサイズでプレビューしたいときに、じぶんはいったん JPEG で書き出し、それを見てみることにしている。
できあがった画像の周囲の黒い部分は、元画像でカバーできていない範囲。余分であるなら、切り取ったりして整え、最終的な成果物に仕上げよう。
画像の内容や、表現としては、黒い余分を残しておいた方が迫力が出たり、かえってリアルな感じが伝わったりするかもしれない。
この写真は今回のサンプル、5枚の画像を繋ぎ合わせたその5枚のうちの左端の一枚。
通常のコンパクト・デジタルカメラだと、このくらいの視野しかない。ところが、クリックすると、パノラマに。パノラマは大きな画像で見て楽しい、なので、大きなまま載せてしまった。画面一杯にして、見てほしい。
ちょっと説明が長くなってしまったけれど、慣れればどうってことのない手順だ。
こうした簡単な手順をふんで、完成した今回のサンプル。つなぎ目はまったくわからない、なかなかの上出来といえる、かしらん。もちろん、よいソフトウェアのおかげに違いないのだ。














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